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自然界の神秘、南洋黒蝶貝から生まれたケシ珠真珠…

このところ当店では、真珠製品をお求めになられるお客様が多いような気がしております
時節柄も勿論あると思いますが、なんとなく優しいジュエリーよつばのクローバーを求めるような時代的なものも密かに感じています
私がこの業界に社会人として入った昭和58年頃には、真珠と言えば白色で丸くて傷がなく大きいほど良いと言われ、フォーマルに着こなす為のジュエリーと位置付けられており、たまにイエロー系の綺麗な真珠を卸売り営業で売り歩くと、『安いですよ!』というだけのセールスポイントだったように思います
ちなみにダイヤモンドも似たよう状況で、イエロー系のダイヤモンドは今ほどの人気がなく、またブラウンに限っては完全に取り扱いラインから外れていました
ジュエリーにも当然ですがファッションとしての流行り廃りがあります
その昔は財産的な価値お金を求め保有を考えるアイテムとして購入されていた比率が高く、その後年々ファッションアイテムとしての重要性を求めるように消費者の方々の意識が変わりはじめ、強いては自身の主張や精神性を現す存在感こそが一番大切と、ジュエリーに対して求めるニーズも段々と移行してきております
そのような中で、真珠をカジュアルなアイテムとして着けこなすという部分では、まだまだ未開拓の余地が多いのかもしれません
フォーマルでもカジュアルでも、本質的にジュエリーは太古の昔から自然界から生まれ出でるエネルギーといいましょうか、なにか人知を越えた大きな力を授かるような意識が底流にあるということも事実で、私も年間を通じて目の前を通るジュエリーの中で自然界の神秘といえるようなパワーを感じることが何回かあります
これは樹齢数百年の樹木に接した際などに、自然と感じられる神々しさにも通じる感覚です
さて今回は海の中での神秘、南洋黒蝶貝が自然の中で偶然に生み出した真珠『ケシ珠』をご紹介いたします
◄静かな落ち着きがある上品さの中に、なぜか圧倒的な力強さが感じられたケシ珠真珠…
一瞬にして魅入ってしまいました

形が崩れ丸くない真珠を一般にはバロックパールと呼び、皆様も音楽や建築様式などでバロックという表現は馴染み深いと思いますが、もともとはポルトガル語のbarroco(歪んだ真珠という意味)が語源のようです
このバロックパールに外見上はよく似ている海水産真珠で、大きな違いは無核(通常養殖時に貝殻で作られた核と良質な遺伝子を持つ細胞片を人間の手で移植して真珠を生産するので、一般的な真珠は有核)の真珠をケシ珠(PoppyPearl)といい、多くは砂や寄生虫などの何らかの貝の胎内への侵入が刺激になり、貝自身が自然に真珠を作り出したものを呼びます
今回私の目の前に姿を現したものは、まさしく鮮やかなピーコックカラーで圧倒的な魅力を放っている2つの大きなタヒチ産船の黒蝶真珠のケシ珠でした
提示されたお値段もそれにしてもちょっと割高だなぁ~と感じる評価額だったのですが、プロとしては完全に失格なのでしょうが、情けないことに私の顔にはすでに『何としてでもこれ欲しい!』ショックと書いてあったようで、値段交渉もなにもなく、まるで高いと思ったら止めておいてください…という雰囲気で、思わず買わせてください…という立場に成り下がりました
話しは飛びますが…
思い起こせば25歳のとき、初めてイタリア貿易振興会主催のトレードショーにて、アトリエのイタリア人オーナー夫妻相手に輸入仕入れ交渉をし、最後の最後にある程度の数がまとまったので『ディスカウント、プリーズ!』と言葉を発した途端にご亭主の顔色が変わり、それまで選びに選んだ品物をすべて引き戻され、『うちの品物に魅力がないから値段が高く思うのだから、止めておけ!』雷と交渉が決裂した苦い思い出がありました
(その後名古屋を拠点に8年間商売を学ぶ機会があり、思わず笑ってしまうような素敵な値切り方も学びましたが…)
話しを戻して…
この今回手に入った南洋黒蝶ケシ珠真珠を、今度はどうジュエリーに生かそうかと思い描き、微妙にサイズも形も違ってはいるのですが、やはりなかなか自然に似たようケシ珠が2つ生まれる可能性が低いので、離れ離れにしてしまうのはいけないような気がして、自然の造形美を楽しむことを主眼にピアス製作を決めましたひらめき
メインの鮮やかなケシ珠を引き立たせる目的で、下外側に一列にグラデーションで良質なダイヤモンドメレを配置し、ダイヤモンドメレ枠も通常コストを下げるには既成枠をロー付けして並べるのですが、石留め爪が煩く目に付きやすいため、すべて手作り枠として爪数を極力減らし、ダイヤモンドの輝くラインが綺麗に映るように施しました
ジュエリー販売の現場では、よくご縁ですね…という言葉が使われますが、この完成したケシ珠ピアスも私の手元に届いてから一週間と経たずにお客様のもとへ嫁ぐことになりました
数日後にご親戚の結婚式へイエロー系がメインのドレスをお召しになってご出席予定のお客様が、なにで耳元を飾ろうか丁度思案中だったとのことで、この黒蝶ケシ珠はご覧になった途端イメージがピッタリ!…と文字通りお嫁入りが決まりお納めプレゼントさせていただきました
自然界で生まれる唯一無二の鉱物や真珠を取り扱うことを生業とさせていただけることに、
いつも幸せを感じております…

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