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宝石

中秋の名月、月見の風習は竹取物語から…?

つい数日前はジメジメと蒸し暑かったのですが、今朝は肌寒いくらいの涼しさで例年より早めの中秋の名月を迎えます

今宵はまだ満月ではないらしいのですが、横浜は朝からどんよりとした空模様で果たしてお月さまは顔を出されるでしょうか…

このブログを書くにあたり中秋なのか、仲秋なのか…自信がなく調べていたところ、すすきや団子をお供えしての豊穣に感謝する月見の風習が竹取物語のかぐや姫あたりを起源にしているという記述を見つけました

竹をとって生活を営む翁が竹林の中で光り輝く竹を見つけ、その竹の中から出てきた女子が絶世の美女に育ち、求婚しに現れる男性を蹴散らすおなじみの物語ですが、実は宝石の世界にもこの光り輝く竹の如しに関係する呼び名の石が存在します

それは宝石通の方なら耳にしたことがあるかも知れませんが、『琅玕(ろうかん)』という鮮やかな緑色で透明度の高い希少で美しい最上質ヒスイを呼ぶ名称です

一時期日本ジュエリー協会のお手伝いをしてた際にご一緒させていただいた桃沢敏幸氏の著作「ジュエリー言語学」によれば、『琅玕』の意味としてヒスイの最上質のものを指す以外に、その美しい色が似てることから青々とした美しい竹のことも指し、そこから「美しい文章」という意味にも派生するそうです

わたくしもいまから30年前の宝石業界へデビューしたばかりのころに、九州のかたでお父上が戦前の大陸でヒスイ王と呼ばれ、当時の日本国内からの買い付けはほとんどこのお父上が現地で仕切っていたと言われる方のご子息と接する機会に恵まれました

ご子息といっても恐らくすでに60歳は過ぎておられたと思いますが、毎月上京されるたびに当時勤務していた宝石輸入卸会社の担当営業であった専務さんの鞄持ちとして同席させていただき、いまでは大変貴重なお話を沢山伺う経験をさせていただきました

よく上質のヒスイを「とろりとした」などという表現をされていたように記憶していますが、相当な経験をもつ宝石商でも『ろうかん』と本当の意味で呼ばれるヒスイを実際に肉眼でみたことのある方は実は数少ないのではないでしょうか…

現に世界的な大手オークション会社などでは『琅玕ろうかん』と誰もが認めるクラスの大粒ヒスイは数千万円クラスで落札されているようですので、デパートさんも含めて近場で皆さんが簡単に見ることができるというわけにはいかないと推測されます

真珠の花珠と同じように、ろうかんも誰でも線引きできる明確な基準があるわけではないので、極端に言えば言ったもの勝ちの状況で、その表現を使うには慎重なプロ中のプロの方がビジネス的には分が悪いのは間違いないと思われます

鞄持ち時代には翡翠(ヒスイ)の美しい上質なものを知ろうと先輩方に出張途中の車中などで尋ねると、乱暴にも「翡翠という文字から見たこともないはずの「カワセミの羽の美しい色」だとか「浅田飴の色が近いな⁉︎」だとか、わたくし自身相当いい加減な教えを真面目に聞いておりました

30年の月日が経ち、いまのところではやはり「とろりとした」という表現がなんとなく個人的には近いイメージかな…と密かに感じています

話しが長くなりましたが、先月お盆休み前に色石では国内でも指おりの輸入卸商社の営業マンから、久しぶりの美しいヒスイを見せらました

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この営業マンは、実はわたくしが九州地区の輸入卸営業マンとして4年弱北九州小倉から博多、飯塚、久留米、佐賀と走り回っていた際のライバル商社の同地区担当営業マンで、年齢も業界歴もわたくしをはるかに凌ぐベテランの方で、お客様先にてたまにバッティンすることもあり常にこちらが一目置く存在の方で、まさか20年後にこのようなご縁で再会するとはお互いに当時は想像もしませんでした

そんないまでは業界を代表するような超ベテラン営業マンの彼曰く、『こんな上質のヒスイはそうそうないよ‼︎ 当社でも在籍年数が長く、尚且つ評価替えもまだしてないのでいまの相場価格から考えて
値打ちだし、できればこのヒスイの美しさを解る人に買って貰いたい…』と上手くおだてられ、当店に嫁ぐことに相成りました

ただいま当店を支えていただく、これまた錺職人としては超一級の方に、大切なヒスイをお預けし、オリジナルの指輪をモダンクラシックなイメージでと依頼し製作中です

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十五夜お月さん、せっかくだから⁈ちょっとお隣のそごうさんに甘味を求めに行き、今宵は素敵な翡翠の指輪が出来上がることを祈りお供えします…

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